2010/10/28

ビタミンで発がん

タンボとハタケとという農薬や食品をまともに取り上げているサイトがあります。

そのサイトに「ビタミンで発がん」というエントリーが書かれています。

有名なフィンランドの統計調査でビタミンAやベータカロテンと肺がんの発生を調べたら、「ベータカロテンを服用した群で,肺がんの発生率や死亡率が統計学的に有意に高かった。」というものです。


他にも同様な結果が出て、結局この実験自体道義的によろしくないと行われなくなりました。


理論的にはビタミンAが粘膜組織に作用してガンの発生を抑制するはずで、多くの人が期待したのですが残念な結果となりました。ビタミンブームはこれで鎮静したような気がします。


こうしたサプリメントに対する科学的アプローチは丁寧になされています。


上記のサイトやそこで紹介されているサイトは信用度の高いものですから参考にしてください。

2010/10/23

ベルギーの安楽死はずさんな面が多い

仕事の関係で終末期の医療チームに関わることがあります。
終末期は決して人事ではなく、いずれは自分に直接する問題ですが、つい、傍観しがち。

延命処置を拒んだ40代の女性。
延命を望んだ60代の女性。それを心底助けた夫や娘。
拒んだにも関わらず家族の意向で延命処置を行った女性。

いずれも厳しく濃密な時を過ごされました。
感動的なケースもありました。

ガンのターミナルは近い将来の終末が見えています。
しかし、神経性難病などの終末は先が見えない困難があります。

そこへ立ち向かうのは勇気と支える人たちの存在、そしてすべて関わる人々の人生観、あるいは死生観です。

どうすることが一番いいのかわたしには未だ分かりません。

ありブログにこんな記事がありました。
内科開業医のお勉強日記。
いつも参考にしているサイトです。
今回の記事は

ベルギーの安楽死:連邦委員会報告・施行実態などずさんな面が多い


http://intmed.exblog.jp/11458975/

内科医さんのコメントは

ヨーロッパの制度というと、無批判に、”善”と考える連中は、今でも多く、特に、医療福祉分野では顕著。・・・ 夢見心地のお嬢様たちにとっては、脳内理想郷があれば、それをまねすることだけで幸せが訪れるという・・・青い鳥的発想は根深い。

”安楽死”というのは、かなりシビアな判断が求められ、厳格に、その条件も検討されたものであるべきである。施行者側がいい加減なんてことはありえないはず・・・なのに、実態は・・・悲惨。
全く同感です。
日本の風土にあった制度を医師、法曹、市民を交えて行う時期がとっくに来ていると思います。

2010/10/21

禁煙法で喘息が減少

スコットランドの事例です。

坪野先生のサイト。

来年の花粉情報

日経メディカルオンラインに来春の花粉飛散情報が書かれていました。

今年の猛暑の影響で通常より相当ひどいのではないかと言われていましたが、やはりその通りになりそうです。

花粉症は産業による副次的な影響によって起こる病気ですから立派な公害といえます。
花粉症のひどい人たちが医療費を補助しろというのも理解できます。

2010/10/16

今日の游氣会


今日は増永式経絡体操に触れる予定。
上記の資料はロンドンの指圧学校のテキストから。
とても良く出来ています。

この体操は増永静人先生がご自身の経絡論と体験から考案されたものですが、もはやその手を離れ国内外で勝手に広まっています。

ある整体教室ではこの考案者が増永先生であることすら知らないまま指導しています。

YouTubeでも外国人がMeridian exerciseやZen exerciseなどとして紹介していて驚きます。

ただ国外に広がる際、どこでどう間違ったのか真向法と混同して紹介されています。
上記のテキストでもイラストの下にLung and Large Intestine Makko-Ho(肺と大腸の真向法)と書かれています。別のイギリス人の指圧テキストも同様でした。

これは困ったことですが今となっては燎原の火の如くどうしようもありません。
真向法の方が歴史も長く国内では広く知られていますからこの事実を知ったら苦々しく思われるに違いありません。

2010/10/12

愛知学院大学モーニングセミナー

愛知学院大学のモーニングセミナー。

先月も本日も行けませんでした。
今後の予定がHPに掲載されていまいた。
関心ある方は是非。
無料です。

介護サービス「危機は大都市部」

介護サービス「危機は大都市部」―大森東大名誉教授

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 社会保障審議会介護給付費分科会の会長を務める東大の大森彌名誉教授はこのほど、国際医療福祉大大学院の公開講座で講演し、「(介護サービスの)危機は大都市部に来ている」と指摘。現在の報酬の在り方に疑問を投げかけた。

【関連記事】
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大森名誉教授は「介護保険のあり方について」をテーマに講演。介護保険が誕生するまでの経緯について説明した後、「家族に依存するケアは必ず破綻(はたん)する。介護は社会化することが不可欠」と、改めて強調した。
 さらに、少子高齢化に伴い、将来的には介護従事者の不足が見込まれると予想。特に今後、大都市部では高齢者人口の大幅な増加が見込まれることから「(介護サービスの)危機は大都市部に来ている」とし、現在の地域区分や地域係数の在り方に疑義を呈した。
 また、デイサービスについて、「まだ改革すべき点がある」と指摘。特に宿泊付デイサービス(お泊まりデイサービス)が来年度予算の概算要求に盛り込まれた点については、「その必要性や趣旨は理解できるが、まずは(類似の機能を持った)小規模多機能型居宅介護を充実させることが先ではないか」と述べた。

( 2010年10月12日 14:15 キャリアブレイン )
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2010/10/07

愛知大学開講

今日から愛知大学オープンカレッジ秋期講座開始。
資料を整えた。

こんな具合。


東洋医療入門 
経絡導引体操・呼吸法・季節に応じた養生法


鍼灸指圧師 介護支援専門員 介護予防運動指導員 
三島広志



はじめに

西洋医学の起源は古代ギリシアのヒポクラテス(後述)とされ、その後古代ローマにおいて学問として確立された。しかし、中世のキリスト教支配、いわゆる暗黒時代には「病気は神の恵みであり医療は神への冒涜」とされたため停滞した。

ルネサンス期(十四世紀イタリア、神中心から人間中心)に人体に対する実証的な研究が始まり、その後デカルト(1596から1650)の心身二元論に基づき近代医学として発達した。

十九世紀後半、細菌の発見により医学は飛躍的に進歩し、二十世紀に入り抗生物質やステロイド剤により多くの病気に対応可能となった。検査法もレントゲンから内視鏡、超音波、CTMRIPETなどの発明により体内の様子が手に取るように診察できるようになった。さらに遺伝子の領域での医学も急速に進歩して未来へ開かれた医学が期待される。

一方、東洋医療とはアジアを中心として東洋独自の発達をとげた伝承医療である。体系だった東洋医療にはイスラムのユナニ医学、インドのアーユルヴェーダ、中国の中医学、韓国の韓医学、日本の漢方(漢の方法もしくはその方向の意)などがある。韓医学も漢方も中国から伝わり、それぞれの国の歴史の中で独自に変化してきた。

近代になって中国と韓国は国家レベルで理論や技術の整理統合を行い、中医学や韓医学として体系立てられたが、日本では残念ながら各流派で独自の主張を行なっているのが現状である。したがって今日の主流は論理の整合性から中医学となりつつある。

こうした民間医療は自然科学のフィルター(客観性、論理性、統計、実験による帰納的再現性など)を通すと西洋医学見地から無効性や有効性の判別の後、現代医療の一部として採用もしくは有害として排除される。それでも今日に伝わっているのは医療的効果や文化的側面から一般の支持があるからである。

西洋医学の目覚しい進歩とそれに基づいて社会構造に組み込まれた医療制度は医療、保健、予防、介護、福祉など幅広い側面から今日の日本人の健康に大きく寄与している。

しかし、その組織の整合性が進むに連れ、逆に詰屈な医療制度となる傾向も見受けられる。制度からはみ出した病人は医療などの対象とならないという現実がある。こうした現状の中で制度や組織としての対応ではなく、多様で個性を有した個々人に対する一対一の手作り医療である伝統医療の存在がクローズアップされてきた。

幸い、生命に関わる危険な病気の多くは西洋医学によって相当に駆逐された。また、その困難な病気に対する治療手段も発展しつつある。そうした下部構造に支えられた上でこれからの東洋医療のあり方を目指したいものである。

生命には全ての生き物や人に共通する普遍性がある。同時に個体による多様性や個性もある。医学は普遍性を解き、医療は多様性に対応することで成立している。

東洋医療は伝統に基づいた思想や技術を駆使し、危険な方法は排除し、これからさらに人々の健康や保健、予防や介護に寄与できると確信している。

1 東洋医療の基本思想
○大宇宙と小宇宙
環境(大宇宙・大我)と人体(小宇宙・小我)。人体は自然の中にあって、自然を素材として生まれた。人体は日々、環境を取り込み、環境へ排出することで生存している。

大宇宙である環境と小宇宙である人体との調和が大切である。これを天人合一という。

○陰陽説

太極図

万物の成り立ちを、陰(沈静、静寂)と陽(活動、活発)に分けその関連で理解する。

陰 地 秋冬 夜 女 寒 暗 静的 下 内 臓 抑制 衰退
陽 天 春夏 昼 男 暑 明 動的 上 外 腑 興奮 昂進

この考え方は西洋哲学の弁証法に類似している。陰陽は分類ではなく現象はそれぞれの性向が互いに干渉し合い常に変化しているという見方である。

 ・矛盾
・対立物の相互浸透
・量質転換

これらが弁証法の基礎となる考え方である。

 陰陽もそのシンボルマークが示すように絶えず流動している。陰陽とは決して二分法ではないことに注意したい。

2010/10/05

月下美人

月下美人が咲きました。

原産地では花コウモリが蜜を吸いに来るので夜咲くそうです。
日本ではコウモリがいないので虚しい開花です。

今夜も3つ咲きそうです。
よろしかったらご覧にいらしてください。

2010/10/04

句集二冊

知人から句集が二冊送られてきました。

『玉門関』は武馬久仁裕さん。
氏とは毎年俳句甲子園の審査でご一緒しています。
俳句は前衛派のベテランで故小川双々子門下の重鎮。

玉門関の月は俄に欠けて出る 久仁裕

旅の句をまとめて、随筆と一緒に掲載した、句集としては珍しい形。

もう一冊は杉山久子さんの『鳥と歩く』。
黒田杏子先生の「序」と夏井いつきさんの栞付き。

黎明の湖心へいそぐ花吹雪  久子

感性と詩情の豊かな作者で、私と同じ『藍生』の会員です。

『玉門関』と『鳥と歩く』。どちらもふらんす堂から出ています。

2010/10/03

グルコサミンとコンドロイチン、変形性関節症の痛みに臨床的効果なし。


グルコサミンとコンドロイチン、変形性関節症の痛みに臨床的効果なし。


疫学批評からです。
グルコサミンやコンドロイチンは大人気のサプリです。
また、臨床の場でも使用されています。
しかし、British Medical Journalに掲載された論文によれば、残念ながら効果に関しては期待できそうもありません。


著者らは、これ以上臨床試験を行なっても、グルコサミンやコンドロイチンによる臨床的に意味のある症状の改善を示す可能性は低いと指摘している。一方で、600人を4群(グルコサミンのみ、コンドロイチンのみ、双方、どちらも投与しない)に分けた、製薬企業から独立の臨床試験が進行中で、早ければ2011年末に結果が公表されるという。この研究の結果も待つ必要があるだろう。

とまとめておられます。 坪野 吉孝先生は以上のようにまとめておられます。