2010/01/31

「リハ医の独白」 より

「リハ医の独白」というブログがあります。

そこに柔道整復師の問題について述べられています。
柔道整復師とは町でおなじみの「接骨院」、「ほねつぎ」のことです。

全国保険医団体連合会資料にみる柔道整復師保険請求の異常さ
http://d.hatena.ne.jp/zundamoon07/20100130/1264857040

鍼灸やマッサージは医師の同意がいただけないと保険治療はできません。
実際、なかなか同意はいただけないのです。
患者さんに「同意書」をお渡ししますが、ほとんど同意がいただけず、多くは保険治療を諦めます。

柔道整復師は「打撲・捻挫」という急性の処置に限って保険治療が可能なのです。
ところが、そこを抜け穴にしてほとんど全ての症状を「打撲・捻挫」として保険申請している悪徳柔道整復師もいるらしいのです。

「リハ医」さんはそのことに憤っておられます。
過去には

柔道整復療養費問題に関する業界団体の危機意識
http://d.hatena.ne.jp/zundamoon07/20100126/1264519989

不正請求に関する感覚麻痺
http://d.hatena.ne.jp/zundamoon07/20100125/1264432623

規制緩和による医療関係職養成校急増
http://d.hatena.ne.jp/zundamoon07/20080601


という記事も書かれています。

接骨院は全国に30000軒位有ります。
そして平均して一軒あたり年間1000万円の保険請求をしています。
これは税金換算すると大変な金額です。
接骨院の建物がどこも立派なのはそのためでしょう。

患者さんは保険だから負担が少なくて助かるからと気楽に通院されています。
しかし結局は国民ひとりひとりの税金に跳ね返ってきますから、いつまでも看過することはできないでしょうね。
しかも規制緩和によって養成学校がどんどん増え、業者も増える一方ですから。

行政が何もしないで手をこまねいている間に業界自体が自浄作用を示さないと、大きな問題に発展するかもしれません。
その余波が直接は関係ないけれども、同業他種である鍼灸・マッサージに波及する可能性もあり、われわれの業界もじっと見つめている状態です。

「リハ医師」ならずとも気になるところです。

2010/01/30

導引按蹻20100130

天の気導入
呼吸によって天の気を取り込みいのちに変える作用の総称
その概念は肺という臓器に留まらない
呼吸ととともに様々な情報も取り入れる

心身の歪が肺に現れる
胸の筋肉のコリ
呼吸が浅くなる
ため息をつく
咳が出る・・・何かを放出したいという欲求 反射による異物の排泄の延長

経絡は胸から拇指
深呼吸するとき、自然に胸が開き、両腕を展開する
両手を開くと精神が解放されるが思考に集中はできない
おおらかに自らを環境に開く姿勢

腹の経絡図
別紙

按蹻導引 游氣会
464-0850 名古屋市千種区今池五丁目3番6号サンパーク今池303号
052-733-2253

2010/01/21

日経メディカルオンラインより

先日、日経メディカルの記事の紹介を書きましたが、サイトに入るには様々な登録をしなければならいし、医療関係者ではないので入りにくいという意見もありまいた。

そこで無許可ですが、全文コピーさせていただきます。



過敏性腸症候群に重症不整脈の追い討ち
患者となって東洋医学の力を知る
社会保険中央総合病院・呼吸器内科部長 徳田

日経メディカルより

社会保険中央総合病院 呼吸器内科部長 徳田 均氏 Hitoshi Tokuda
1948年生まれ。73年東大卒。77年癌研究会付属病院、81年結核予防会結核研究所付属病院、87年結核研究所第二臨床研究科長、91年より社会保険中央総合病院呼吸器内科部長。

   ☆ 

 今から7年ほど前、仲間とクロスカントリースキーを楽しんでいる最中、激しい胸苦しさに襲われました。搬送先での診断は心房粗動。これをきっかけに、医師としての自分は大きく変わりました。

心房粗動から心房細動を発症
 それまで、「不整脈なんて他人事」と思っていましたが、連日のように自身が襲われると、本当につらいものでした。

8カ月間の薬物療法の後、意を決してカテーテルアブレーションを受け、成功。「やっと解放された」と思ったのもつかの間、数日後から再び動悸が始まり、今度は発作性心房細動を起こしてしまいました。

抗不整脈薬やワルファリンなどを飲んでも、症状は改善しません。追い討ちをかけるように、持病の過敏性腸症候群や極度の足の冷えにも悩まされました。「もう治らないのではないか」。不安を常に抱えながら、病院の呼吸器内科部長としての多忙な業務をこなす毎日でした。

そんなある日、親しくしていた外来の患者さんに自分の病気について話す機会がありました。病状とその経過を話すと、患者さんはこう言うのです。「私がお世話になっている指圧師をご紹介しましょうか。いろいろな症状の方がそこで治っていくようです。一度行かれてみてはいかがでしょう」。

指圧で症状が劇的に改善
 以前の私だったら、「何を非科学的なことを」と一蹴していたはずです。エビデンスのあいまいな東洋医学に対しては、懐疑的でしたから。ただ、その時は、患者さんのアドバイスを素直に受け入れました。西洋医学の治療で効果が期待できないなら、東洋医学にかけるしかないと考えたのです。

初めて訪れた時、指圧師さんにこう言われました。「自律神経失調症ですね。あなたの症状は、すべて肩から首にかけての凝りから来ています。これは大学卒業後の30年間の激務で溜まった凝りのようですが、ほぐせば必ず良くなりますよ」。

通い始めて3回目ぐらいから、何となく調子がいい感じがしました。そして半年後には、驚いたことに心房細動の頻度は大幅に減り、15年来悩んでいた過敏性腸症候群や冷えも、ほとんどなくなっていったのです。

その後、私の患者さんで治療に難渋した難治性肺疾患の方に、指圧を勧めたことがありました。肩が鉛のように硬く、手足も冷えるとの訴えでしたが、指圧治療を受けて肺の症状もみるみる良くなっていきました。

もちろん、東洋医学が誰にでも効くというわけではないでしょうし、指圧師の技量に負う部分も大きいとは思います。とはいえ、東洋医学の力を認識できたことで、西洋医学一辺倒だった私の診療スタンスは、それまでとは大きく変わりました。

不定愁訴の患者に共感
 私の外来には、いわゆる“不定愁訴”の患者さんが多く訪れます。胸痛、腹痛、何とも言えない違和感…。
 話を詳しく聞くと、たいていの人は他の病院で一通りの検査をされ、「どこも悪くないですよ」「その症状に合う薬はありません」などと、医者から突き放された経験を持っています。

 私も以前は、そうした“冷たい”医者の一人でした。ところが、指圧の効果を身を持って知った後は、考えを改めました。「患者の訴えには、必ず理由がある」。西洋医学の視点では分かりづらい病因も多くあると、肝に銘じるようになったのです。

 それに伴い、診察の際の視野も広がり、自律神経系の乱れに着目するようなりました。不定愁訴の患者さんを理学的に診察すると、以前の私と同じような身体的特徴(肩凝り、指圧師さんから学んだ腹部の特有の所見など)を持っている例が非常に多い。患者さんの肩に触れてひどく凝っている場合は、漢方薬などを処方し、併せて指圧治療も勧めたりしています。

 東洋医学的なアプローチは、必ずしも、西洋医学と相容れないものではありません。西洋医学的にも、頸部から胸郭への移行部に存在する星状神経節が自律神経の司令塔であることは知られており、肩凝りの治療で心房細動が改善するのも、決しておかしな話ではありません。

 私は、西洋医学と東洋医学それぞれに長短があり、同等の価値があると考えています。今は、自分の“武器”が2つに増えた気がしています。

4年の研究を経て臨床に復帰
 実は私は、それ以前にも病気に悩まされています。
今は呼吸器内科医ですが、30代の終わりまでは、外科医としてメスを握る毎日でした。来る日も来る日も仕事に追われて休みはなく、精神的にも疲れ果ててきたころ、過敏性腸症候群を患いました。食事を取ることもままならなくなり、わずか2年の間に10kgもやせてしまいました。

結局、外科をやめて研究に従事しましたが、やっぱり臨床の現場が恋しくなり、4年後に内科医として再スタートを切りました。メスを置いた際は、「もう十分に働いた」と思っていたのですが。

臨床医であり続けるには、ちょっと休憩が必要だったのでしょう。もしあのペースで仕事を続けていたら、身体も心も壊れていたかもしれません。過敏性腸症候群にかかったのは、自分を見つめ直し、再出発を切るためだったのだと感じます。

振り返ると、外科医時代の私はずいぶん傲慢でした。患者には「手術すれば治るから。ただ私の言うことを聞いていればいい」という態度で接していました。 

それがその後、内科に転じ、東洋医学と出合って、患者の不定愁訴に共感を持って耳を傾けるようになるとは…。人生とは面白いものです。
病気はつらいものですが、私の場合、次の舞台に移る大きなきっかけになっています。その巡り合わせに不思議な縁を感じると同時に、本当に感謝しています。病気に対してそう言うのは、変かもしれませんが。(談)
(まとめ:和田紀子=日経メディカル)

今日の愛知大学

初回が台風、先週がわたしのケアマネ更新研修で休講。
二回もずれてしまいました。


愛知大学オープンカレッジ
東洋医療と経絡エクササイズ
2010/01/21

手の少陽三焦経
三焦経は一般に馴染みのない経絡
三焦は「働きありて形なし」と称される。実態が不明。
内臓全体を三つに分類する。
胸を上焦 横隔膜から臍辺りを中焦 下腹を下焦
ここから類推すれば内臓機能(働き)全般に関与する存在

三焦を脾臓つまりリンパ系に近いものと考える人もいる(増永静人)
防衛や免疫の働きを担っている
(免疫に関しては別途配布資料)

少陽三焦経は少陽胆経と同様に身体の側面を走っている
ボクシングのガードをすると三焦経が伸展する
あるいは寒いとき自分を抱く姿勢 これも三焦を強調する

別資料
日経メディカルから医師が指圧にかかった感想の文章
顔面、頭部の経絡経穴図
 顔や頭の重要なツボを覚える

游氣塾
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三島広志

2010/01/19

ネットのセキュリティ

CNGT Japanの記事によると


ドイツ政府およびフランス政府は、「Internet Explorer(IE)」について、先ごろGoogleへのサイバー攻撃に用いられたゼロデイ脆弱性Microsoftが修正パッチを提供するまで、IEの利用を避けるよう国民に勧告を行った。」


だそうです。
わたしはIEは鈍いので使用していません。もっぱらGoogle Chromeを使っています。速度がまるで違いますから。
どうも中国で起こったセキュリティの問題にIEの脆弱性が絡んでいるようですから、日本でも注意した方がよさそうです。
詳細はこちらへ。

2010/01/18

漢方薬とはいったいどんなくすり?

愛知学院大学のモーニングセミナーへ行ってきました。
今回は漢方薬の話。

昨年来から人々を不安に陥れている新型インフルエンザ。
これの薬はタミフルが知られています。ところが漢方薬の「麻黄湯」という薬もほとんど同様の効果を示しているのです。
これは新聞記事にもなりましたら知られた話です。

このセミナーではこの話を導入に漢方薬と新薬の違いなどについて分かりやすく説明していただきました。

詳細は愛知学院大学のサイトへ。

http://www.agu-web.jp/~seminar/index.php?ID=37

日経メディカルオンライン

ドクターの指圧体験と東洋医学への理解が書かれたエッセイです。
こんな医師は珍しいと嬉しい記事です。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cadetto/0904-t1/201001/513665.html

医療者のサイトですから登録しないと読めないかもしれません。

2010/01/09

経絡導引1・9

『素問 異法方宜論篇』

東方之域、天地之所始生也。魚塩之地、海濱傍水。其民食魚而嗜鹹。皆安其處、美其食。魚者使人熱中、塩者勝血。故其民皆黒色疏理。其病皆爲癰瘍。其治宜砭石。故砭石者、亦從東方來。

西方者、金玉之域、沙石之處、天地之所收引也。其民陵居而多風、水土剛強。其民不衣而褐荐、其民華食而脂肥。故邪不能傷其形體。其病生於内。其治宜毒藥。故毒藥者、亦從西方來。

北方者、天地所閉藏之域也。其地高、陵居、風寒冰冽。其民樂野處而乳食。藏寒生滿病。其治宜灸焫。故灸焫者、亦從北方來。

南方者、天地所長養、陽之所盛處也。其地下、水土弱、霧露之所聚也。其民嗜酸而食胕。故其民皆緻理而赤色。其病攣痺。其治宜微鍼。故九鍼者、亦從南方來。

中央者、其地平以濕、天地所以生萬物也衆。其民食雜而不勞。故其病多痿厥寒熱。其治宜導引按蹻。故導引按蹻者、亦從中央出也。

中国大陸の東方は天地の始まる所である。海浜の東方に住む人達は魚と塩分を多く摂取する。魚で体内に熱が中り、塩で血が汚れる。よって皮膚は黒く肌理が粗い。血の過多からデキモノを病むので砭石で瀉血治療をする。瀉血療法は東方から伝わった。

西方は金玉を産する砂漠で天地の収引する所である。人々は山の穴に住み、風に当たる。風土の厳しいところである。人々は腰当だけで服を着ない。肉と脂肪をよく食べるので身体が丈夫になり外邪に強い。しかし内から毒が出る。そこで薬草で治療をする。湯液治療は西方から来た。

北方は天地の閉蔵する所である。高い山で暮らす。気候が寒く水が凍てる。人々は遊牧し、乳製品をよく食べる。よって内臓が冷えて病が生じるので灸で温めて治療をする。灸は北方から伝わった。

南方は天地が長養し陽が盛んな所である。土が柔らかく霧露が集まる。人々は酸味と胕(発酵食品)を食す。よって皮膚が肌理細かく赤い。痙攣や麻痺になるので鍼で治療をする。鍼は南方から来た。

中央は平坦で湿気がある。天地の生じるところで万物が集まる。雑多なものを食べ労働しない。四肢の気血循環が良くなくて痿厥(なえる・つかえる)寒熱となる。よって導引按矯が効果的である。導引按蹻は中央で生まれた。


方向
生活環境
食生活
体型・体質
病気
治療
東方
海浜
天地の始まる地
魚・塩分
顔色が黒い
肌理が粗い
熱中・多血・癰瘍
砭石
西方
砂漠・鉱石が取れる
天地収まる地
乳製品・肉類
筋肉が肥厚で丈夫
外感病が少ない
内患である飲食所傷
湯液
北方
気候が寒冷
天地の閉蔵
乳製品
内臓の冷え
寒の病

南方
陽光が充足・炎熱
天地長陽
霧露集聚・湿気が多い
酸味・発酵食品
顔色が赤い
肌理が細かい
痙攣・痺れ

中央
平坦


雑多・豊富
労働が少なく
気血循環が悪い
痿痺寒熱
導引按蹻

ここに現代日本人に導引按蹻が必要なヒントがある。




導引按蹻・游氣会
464-0850 名古屋市千種区今池五丁目3番6号サンパーク今池303号
052-733-2253

2010/01/07

手の厥陰心包経

愛知大学「東洋医療と経絡エクササイズ」
手の厥陰心包経
2010/01/07


連絡
申し訳ありません。来週は休講とさせていただきます。
補講は218日(木)午前11からです。
よろしくお願いいたします。

手の厥陰心包経
胸から腕の内側中央を遠って中指に至る経絡。
手のひらには労宮というツボがあります。
精神緊張は前腕を固くします。これは心包経の影響です。
心包は心臓と考えてもいいでしょう。
鳩尾から上腹部の辺り、胃の影響が強く出るところも心包経にかかわります。
心臓の疲労も影響します。
そんなときは労宮が有効です。

また労宮を開くという考えがあります。
これは気功で重要視されるものでここを開くと上半身がリラックスします。

導引按蹻
手を当てて治療することを按、動かして調整することを蹻。
どちらも手を触れます。このとき労宮を緩めて置くことが大切です。
導引は「大気を導き体内に引き入れる」呼吸体操です。



愛知大学オープンカレッジ「東洋医療と経絡エクササイズ」
464-0850 名古屋市千種区今池五丁目3番6号サンパーク今池303号
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三島広志

2010/01/01

ホームページ

久しぶりに修正しました。
近々の予定をトップに書き、アップしていなかった游氣風信を掲載しました。
正月なのにいろいろ忙しく、雑なレイアウトで読みにくいのですがそのままです。

HP 
http://homepage3.nifty.com/yukijuku/